はまぐりと言えば、三重県の名産品である「桑名の焼きはまぐり」が有名です。
しかし、この美味しいはまぐりにも種類があり更に国産と中国産があります。
国産と中国産のはまぐりの違いも気になりますよね。
スーパーで手に入るはまぐりも、表示が国産でも中国産の可能性があるとのこと。
中国産だと危険なのか、チョウセンハマグリとハマグリの違いや貝類の種類の見分け方などを紹介します。
はまぐりの種類や貝類の見分け方は?
はまぐりの国産種と中国産の見分け方は、率直に言ってしまえば、初心者には難解です。
初めに、はまぐりは二枚貝の仲間であり、しじみやあさりといった仲間も同じく二枚貝に分類されます。
この段階で、国産と中国産の違いに踏み込む前に、これらの二枚貝を見分ける方法について探ってみましょう。これは潮干狩りの際にも参考になります。
ちなみに、潮干狩りでしじみに出くわすことは稀です。
これは、しじみが基本的に淡水あるいは淡水と海水が混ざる場所に生息しているからです。
河口や海に近い場所では見られるかもしれませんが、潮干狩りの際にしじみを見かけることは難しいでしょう。
一方で、あさりは潮干狩りで最も頻繁に出会うことができる二枚貝の一つです。
あさりは水深5cmから10cmほどの浅い海に生息しています。
そして、はまぐりはもう少し沖に進んだ場所、水深15cmから20cmほどの干潟に生息しています。これらの貝たちを潮干狩りで見つけるのは容易ではありませんが、見つけた時はラッキーなことですね。
さて、これまで各貝の特徴についてざっくりと説明してきましたが、実は一番の難関は、はまぐりの国産と中国産の違いを見極めることなのです。
はまぐりの国産と中国産の違いは?
はまぐりは大まかに分けて、国産の「ハマグリ(地蛤(じはま))」、国産でありながら異国的な名前の「チョウセンハマグリ」、そして中国産の「シナハマグリ」の三つの種類があります。
「チョウセンハマグリ」の名前に含まれる「チョウセン」は「朝鮮産」を指すのではなく、「異国的な」を意味し、実際には国産の種類です。有名な桑名で採れるものは「ハマグリ(地蛤(じはま))」です。
それぞれの見分け方は以下の通りです。
国産はまぐり
ハマグリ(地蛤(じはま))
黒っぽい色で、貝殻に光沢があり、様々な模様が見られます。模様は年輪のような形状です。
チョウセンハマグリ
大型で白っぽい色。貝殻が厚く、光沢はあるものの模様は少ないです。
中国産はまぐり
シナハマグリ
黒っぽい色で、貝がらに光沢がなく、色合いが少し茶色。三角形のパターン模様があり、殻の蝶番部分が紫色です。
これらの見分け方は一見簡単ですが、「ハマグリ」も「シナハマグリ」も黒っぽい色という点で混乱することがあります。
また、「ハマグリ」が「あさりやしじみより白っぽい」という話と矛盾するような場合もあります。
これは主に「チョウセンハマグリ」の特徴です。さらに、「シナハマグリ」の特徴である「三角形のパターン模様」もはっきり見えないことがあり、特に蝶番(ちょうつがい)部分の色が紫であるかも曖昧です。
そこで、熊本大学の逸見泰久教授にお聞きすると、「ハマグリ類の形態的な違いは量的なものであり、初心者がこれを形態上の違いで識別するのは難しい」とのこと。
つまり、見分けるのは簡単ではなく、個体差もあるため、素人が一目で識別するのは難しいとのことです。
しかし、逸見教授は「熟練すれば、全体の形や模様によって、大部分の個体は比較的容易に識別できるようになる」とも述べています。
このページは元々、「はまぐりの見分け方」を紹介するために書かれたものではありません。
しかし、有明海と八代海の環境保全の一環として、今ではほぼ絶滅寸前の国産はまぐりに焦点を当てています。
このページでは、国産はまぐりの二つの種の分布や、中国産はまぐりが輸入後に放流され、国内に侵入している状況が詳細に述べられています。
学術的な内容が基本で書かれており、全てを理解しようとするのは難しいかもしれませんが、国産のはまぐりが中国産によって圧迫されている様子は十分に伝わります。
国産のはまぐりを守るために、私たちがどんな行動を取れるか考えてみるのも良いでしょう。
はまぐりの中国産は大丈夫?
中国産はまぐりでも安全性はほぼ確認されています。
最初に述べた通り、結論から言えば、少なくとも近年は問題ありません。
厚生労働省は、輸入食料品の安全性を監視する調査結果を発表しており、平成29年度の検査結果によれば、はまぐりを含む二枚貝において、4,000個以上を検査して安全でないと判断されたものはゼロでした。
これは10年前の平成19年度と比べて、24個あった安全でないものがなくなったことを示しています。
検査個数は2倍以上に増えましたが、ゼロの結果は安心材料です。
なお、調査結果の詳細は厚生労働省の中間報告資料に記載されています(平成29年度、平成19年度)。
平成29年度の厚生労働省の中間報告の資料
→検査結果は9ページ目。
平成19年度の厚生労働省の中間報告の資料
→検査結果は7ページ目。
ちなみに、国内の食料品については、「国」が行っている同様の取り組みはなく、現状では「自治体や企業ごとの自主検査」が主流となっています。
この事実から、輸入品よりもむしろ国産品の方が危険なのではないかという不安も感じられますね。
もちろん令和になってからも、はまぐりの中国産はほぼ安全です。
厚生労働省の調査によれば、令和元年度の検査結果では、はまぐりを含む二枚貝において、4,000個以上の検査の結果、安全でないと判断されたものはゼロでした。
令和3年度の厚生労働省の中間報告の資料
→検査結果は10ページ目。
これは前回の平成29年度と同様に、安全性が確認されていることを示しています。検査の透明性が高まり、安全性が向上しているようです。
はまぐりの砂抜き方法はコチラ
>>砂抜きする場合は常温か冷蔵庫か?
まとめ
はまぐりの国産と中国産の見分け方を解説し、安全性について詳細に検証。潮干狩りでの楽しみ方や専門家のアドバイスを通じて、食材選びのポイントを紹介しました。
厚生労働省の検査結果から、中国産の安全性が明らかになり、食の安心感を得ることができます。
国産と中国産のはまぐりを見分けるのは難しいですが、中国産でも安全性が確認されています。自分の好みに合わせて楽しんでみてください。