春が旬のホタルイカは人気の高い食材ですが、「寄生虫がいて危険なのでは?」と不安に感じる人も多いようです。
特に、生食だけでなく素干しや干物でも本当に安全なのかは気になりますよね。
結論から言うと、ホタルイカは調理方法を誤ると健康被害につながる可能性がある食材ですが、正しい処理を行えば安全に食べることができます。
ホタルイカには寄生虫がいる可能性があり、食べ方や加工方法によってリスクが大きく変わるとされています。
この記事では、ホタルイカの寄生虫による症状の目安や、生食・素干し・干物それぞれの注意点、安全に食べるための正しいポイントを分かりやすく解説します。
ホタルイカの寄生虫による症状とリスク

ホタルイカの内臓には、旋尾線虫(せんびせんちゅう)という寄生虫が潜んでいることがあります。
この虫は非常に小さく、糸のように細いため、調理の際に目視で見つけるのは困難です。
そのため、見た目に異常がなくても注意が必要になります。
適切な処理をせずに生食すると、以下のような症状を引き起こす恐れがあります。
1. 急性腹症型(きゅうせいふくしょうがた)の症状
ホタルイカを食べた後、数時間から2日程度で発症する急な消化器症状です。
寄生虫が胃や腸の壁に侵入しようとすることで起こります。
激しい腹痛・心窩部痛(しんかぶつう)
胃の周辺や、みぞおち付近(心窩部)に、差し込むような強い痛みを感じることがあります。
嘔吐(おうと)・吐き気
突然の吐き気や、激しい嘔吐を繰り返すケースも見られます。
症状が重い場合は、医療機関で点滴や痛み止めの処置が必要になります。
2. 皮膚爬行症型(ひふはこうしょうがた)の症状
食後すぐではなく、1〜2週間ほど経過してから現れるホタルイカ特有の症状です。
線状の皮疹(ひしん)
寄生虫が皮膚の下を移動することで、赤いミミズ腫れのような跡が線状に現れます。
この跡は1日に数ミリから数センチ移動することもあり、強いかゆみや炎症を伴います。
腹膜炎(ふくまくえん)などの合併症
稀なケースではありますが、寄生虫が腸を突き破ることで、腹膜炎や腸閉塞などの重篤な症状が報告されている例もあります。
症状が出た場合の対応
ホタルイカを食べた後に体調が悪くなったり、皮膚に変な線が浮き出てきたりした場合は、自己判断せず、すぐに医療機関(内科や皮膚科)を受診してください。
受診の際は、「いつ、どのくらいの量のホタルイカを、生で食べたか」を医師に伝えると、診断の手助けになります。
ホタルイカの生食は要注意|寄生虫リスクと安全対策

ホタルイカは、一般的に家庭での生食には向いていない食材と考えられています。
寄生虫によるリスクが非常に高いため、生で食べる場合は、公的機関が示す考え方に基づいた厳格な対策が必要になります。
ホタルイカに寄生する可能性のある寄生虫
ホタルイカの内臓には、旋尾線虫(せんびせんちゅう)と呼ばれる寄生虫が潜んでいることがあります。
この寄生虫は非常に小さく目視が難しいうえ、体内に入ると健康被害を引き起こす可能性があるため、未処理のままの生食や踊り食いは、特にリスクが高いとされています。
生食・調理時のリスクを下げるための基本的な考え方
厚生労働省などの公的機関では、魚介類の寄生虫対策として、以下のような確実性の高い方法が示されています。
1. 加熱調理(最も確実な方法)
寄生虫は熱に弱いため、十分な加熱が最も安全とされています。
沸騰したお湯で30秒以上加熱する
または、中心温度60℃以上で加熱
(※中心温度70℃以上であれば、より確実に死滅するとされています)
2. 冷凍処理(生で食べる場合)
ホタルイカを生食で楽しむには、業務用設備による非常に強力な冷凍処理が必要です。
・マイナス30℃で4日間以上
・または、マイナス40℃で40分以上など、同等の殺虫効果が確認されている条件
【注意】
一般家庭の冷凍庫(約マイナス18℃)では、旋尾線虫が確実に死滅する温度まで下がりません。
「家庭用冷凍庫で凍らせたから生で食べられる」と考えるのは非常に危険なため、避けてください。
3. 内臓の完全な除去について
寄生虫は主に内臓に存在しますが、内臓を取り除いただけでは安全とは言い切れません。
調理の過程で寄生虫が身に移る可能性もあるため、内臓除去のみで未加熱・未冷凍の状態で生食することは推奨されていません。
ここまでで、ホタルイカの寄生虫対策には
加熱や冷凍といった「事前処理」が不可欠だということが分かります。
そのため、ホタルイカを安全に食べるには、
「どの状態ならそのまま食べられるのか」「どこまで下処理が必要か」
を正しく知っておくことが大切で、素干し・干物に限らず
生やボイルで食べる場合も安全性の考え方は共通です。
▶︎ ボイル済みはそのままOK?ホタルイカの安全な食べ方と下処理まとめ
ホタルイカの寄生虫は干物で防げる?素干し・干物の注意点と安全な食べ方

ホタルイカの干物や素干しは、手軽で美味しいおつまみですが、実は加工方法によっては寄生虫のリスクが残っていることがあります。
「素干し」は乾燥させても寄生虫が生きている?
寄生虫(旋尾線虫)は乾燥に強く、数日間干して「素干し」にした程度では死滅しません。
市販の干物の多くは、出荷前に「ボイル加熱」や「業務用冷凍庫でのマイナス30℃以下の凍結」が行われていますが、未加熱・未冷凍のまま乾燥させただけの製品も存在します。
内臓が入ったままのタイプは、特に注意が必要です。
特に、加熱の有無や加工工程が明記されていない商品は、再加熱を前提に考えると安心です。
市販の干物をより安全に食べるコツ
市販品を購入した際は、パッケージの裏面を確認しましょう。
「加熱用」と書かれているものはもちろん、そうでなくても食べる前に軽くあぶって再加熱するのが、最も安全で美味しい食べ方です。
※炙り(あぶり)のポイント:見た目が焼けていても、内臓部分まで熱が通っていない場合はリスクが残るため注意しましょう。
自家製の素干し・一夜干しを作る場合
自宅でホタルイカを干す場合は、「乾燥させる前に」必ず加熱処理を行ってください。
下処理の必須条件
厚生労働省の基準に基づき、以下のいずれかの処理を行ってから干すようにしましょう。
- 沸騰したお湯に投入し、30秒以上保持する
- 中心温度が60℃以上になるまでしっかり加熱する
「生のまま干せば大丈夫」という自己判断は、食中毒のリスクを高めるため厳禁です。
まとめ|ホタルイカを安全に楽しむために
ホタルイカは美味しく栄養価の高い食材ですが、寄生虫のリスクを正しく理解することが大切です。
- 生食や踊り食いは避ける
- 基本は加熱調理
- 干物でも再加熱すると安心
- 体調異変があれば早めに医療機関へ
正しい知識と調理方法を守ることで、ホタルイカを安心して楽しむことができます。