卒業論文やレポートを書くとき、「数字は漢数字にするべき?」「算用数字で書いていい?」と迷うことはありませんか。
日本語の文章では、漢数字・算用数字・ローマ数字など、いくつかの数字表記が使われます。
論文やレポートの数字表記は、まず大学・学会・授業で指定された書式を優先します。そのうえで、縦書きか横書きか、本文中の数字か、データや単位を含む数字かによって表記を使い分けるのが基本です。
この記事では、論文・レポート・文章内での漢数字と算用数字の使い分けを、縦書き・横書き・指定書式の考え方に分けて整理します。
論文の数字表記は指定書式を優先する
論文やレポートを書くときに最初に確認したいのは、提出先の指定です。
大学のレポート、卒業論文、学会への投稿論文などでは、執筆要項や提出ルールで数字の書き方が決められていることがあります。
たとえば、次のような指定です。
- 横書きで作成する
- 算用数字を使用する
- 章番号は「第1章」の形にする
- 図表番号は算用数字で統一する
- 本文は縦書きで、数字は漢数字を基本とする
このような指定がある場合は、一般的な書き方よりも指定書式を優先します。
指定がない場合の基本的な考え方は、縦書きでは漢数字を基本例にし、横書きでは算用数字を使う場面が多いという整理です。
ただし、論文やレポートでは分野・提出先・執筆要項によって書き方が変わるため、「必ずこの表記だけが正しい」と決めつけず、指定と読みやすさを合わせて判断しましょう。
縦書き論文では漢数字を基本例にする
縦書きの文章では、本文中の数字を漢数字にすると、文章全体の見た目がそろいやすくなります。
そのため、指定がない縦書き論文では、章番号や本文中の数を漢数字で表す形が基本例になります。
要確認 論文の第1章
「第1章」が必ず間違いというわけではありません。章番号の表記は、提出先の指定に従うのが最優先です。
指定がない縦書き文章では「第一章」のように漢数字で書くと、本文になじみやすくなります。一方で、提出先が「第1章」と指定している場合は、その書式に合わせます。
縦書き数字全体の考え方を確認したい場合は、こちらの記事も参考になります。
横書き論文では算用数字を使う場面が多い
横書きの論文やレポートでは、算用数字を使う場面が多くなります。
特に、データ・統計・図表・単位・ページ数などを扱う場合は、算用数字の方が読みやすく、数値の確認もしやすくなります。
たとえば、次のような表記です。
- 数量・測定値:50g、100メートル、25パーセント
- データ・統計:回答者数120人、平均値3.5、前年比12%
- 横書きの日付・時刻:2026年4月6日、15時30分
- ページ数・図表番号:125ページ、図3、表2
横書きでは、算用数字を使うことで数字が見つけやすくなり、データとしても読み取りやすくなります。
一方で、縦書きの日付や西暦は、手書きの文章では漢数字を基本例にすることがあります。日付や西暦の具体的な書き方は、別記事で詳しく整理しています。
漢数字を使うと自然なケース
論文やレポートでも、すべての数字を算用数字にすればよいわけではありません。
日本語の文章として自然に読ませたい部分では、漢数字の方がなじみやすいことがあります。
たとえば、次のような表現です。
- 一つの考え方
- 二つの事例
- 第三の理由
- 数十年にわたる変化
- 一方で、次のような見方もある
このような言い回しでは、算用数字よりも漢数字の方が文章の流れに合いやすくなります。
また、四字熟語や慣用句、固有名詞に含まれる数字も、基本的には元の表記をそのまま使います。
- 一石二鳥
- 三位一体
- 四国地方
- 七五三
このような表現を無理に算用数字へ置き換えると、かえって不自然になることがあります。
算用数字を使うと読みやすいケース
算用数字は、数値として正確に読み取ってほしい場面で使いやすい表記です。
特に、データや単位を扱う場合は、漢数字にするとかえって分かりにくくなることがあります。
- 平均値3.5
- 50g
- 25%
- 2026年4月6日
- 15時30分
- 図3
- 表2
このような数字は、横書きの論文や資料では算用数字で書く方が確認しやすくなります。
ただし、縦書き本文の中で使う場合は、前後の文章とのなじみやすさも考えて判断します。
縦書きで算用数字を使う場合の考え方
縦書きでも、データ・単位・指定書式などの都合で算用数字を使うことがあります。
その場合は、読みやすさと指定書式を優先し、同じ論文内で表記をそろえることが大切です。
- 1桁・2桁の数字:本文の流れに合わせて、漢数字にするか算用数字を使うかを判断します。
- 3桁以上・小数・単位を含む場合:本文の流れ、数値の正確さ、指定書式によって判断します。小数点や単位を含む数字は、読みやすさを優先して算用数字のまま扱うこともあります。
- データ表や図表:本文とは別に、表記の見やすさや指定書式を優先します。
縦書きでは漢数字が基本例になりますが、数値データや単位まで無理に漢数字へ直すと、意味が読み取りにくくなることもあります。
小数点や単位を含む数字を縦書きで扱う場合は、こちらで詳しく解説しています。
ローマ数字は指定があるか確認する
ローマ数字(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ…)を縦書き論文で使う場合は、まず提出先の指定を確認しましょう。
指定がない場合は、本文中では漢数字や章番号の表記に置き換えた方が読みやすいことが多いです。
たとえば、縦書きの本文中では「第Ⅰ章」よりも「第一章」の方が文章になじみやすい場合があります。
第二章
第三章
ただし、章番号や資料名、作品名などでローマ数字を使う指定がある場合は、その書式に合わせます。
ローマ数字は便利な表記ですが、縦書き本文の中では見え方が不自然になることもあるため、指定がない場合は使いどころを慎重に判断しましょう。
表記を統一すると読みやすくなる
論文やレポートでは、漢数字と算用数字のどちらを使うかだけでなく、同じ文書内で表記をそろえることも大切です。
たとえば、同じ種類の数字をある場所では漢数字、別の場所では算用数字にすると、読者が少し迷いやすくなります。
次のような点を確認しておくと、表記が整いやすくなります。
- 章番号の表記はそろっているか
- 本文中の数字の書き方は統一されているか
- 日付の書き方はそろっているか
- 単位や小数点の表記はそろっているか
- 図表番号の表記はそろっているか
迷ったときは、まず指定書式を確認し、そのうえで同じ種類の数字を同じ形で書くようにすると安心です。
まとめ
- 論文やレポートの数字表記は、まず大学・授業・学会・投稿規定などの指定を優先します。
- 指定がない場合、縦書きでは漢数字、横書きでは算用数字を使う場面が多くなります。
- 縦書き論文では、章番号や本文中の数字を漢数字にすると文章全体が整いやすくなります。
- データ・統計・単位・小数点・図表では、算用数字や単位記号を使う方が正確に伝わる場合があります。
- ローマ数字は、提出先の指定がなければ漢数字や章番号表記に置き換えた方が読みやすいことがあります。
- 迷ったときは、指定書式を確認し、同じ論文内で表記を統一しましょう。
論文の数字表記は、「漢数字か算用数字か」だけで決めるよりも、縦書き・横書き・データ・単位・指定書式を分けて考えると判断しやすくなります。