お正月やお祝い事の席で料理をいただく時には、「祝箸」という箸を使いますが、使い方とマナーを間違えてしまうと新年早々残念なことになってしまいます。
箸袋の中に入っている、両方の端が細くなった箸ですが、見たことがあると思います。
でも、お正月などにその祝箸を使うのは、どういう理由なのでしょうか?
祝箸を使う食事のマナーと使う由来と箸を入れる袋の書き方についてご説明します。
お正月の祝箸の使い方とマナーについて
お正月に祝い箸を使うとき、その使い方とマナーについて説明します。
祝い箸を含め箸の置き方には、古くから伝えられている正しいマナーがあります。
・神棚に大晦日に置いた祝箸を、元旦から食事の時に食卓に並べます。
・箸は右側が持ち手で、左側が口に当てる方になっているので、祝箸の場合も袋から出ている箸先を左にするように置きます。
・食事の際には箸先1.5cm~3cmを口に当てる長さとし、箸置きに置く時は口を付けた部分を箸置きに触れないように置きます。
・食事の際に箸を持ちかえて、自分が口を付けていない方を取り箸にすることはやめましょう。
・使い終わった箸は汚れを落とし、洗って乾かしてから箸袋に戻します。
松の内(元旦~七日)の間は、自分の名前を書いた箸を使います。
地域によって使う期間が元旦~三日の場合もあります。
自分の地域の風習に従いましょう。
・使う期限が過ぎたら、松飾りやしめ飾りなどと一緒に神社へ持っていき、どんど焼きに出します。
神社によってはどんど焼きをせずに、別途にお焚き上げをしていることもあります。
おせち料理に祝い箸を使う意味と由来は
おせち料理やお祝いの席で祝い箸を使う意味と由来は、祝い箸のカタチにあります。
箸の両方の先端が細く、どちらも箸先として使用できるので、「両口箸(りょうくちばし)」とも呼ばれます。
両口なのは片方を神様に使っていただき、もう一方を人が使うという、神人共食として神様と人が共に食事をすることを意味していると言われています。
また両端に比べて真ん中が太目なので、五穀豊穣を願うための「俵箸(たわらばし)」、真ん中が膨らんでいるので、子孫繁栄を表す箸として「太箸」とも呼ぶこともあります。
祝箸はお祝いの席で折れると縁起が良くないので、丈夫で折れにくく弾力性のある柳の木を材料にすることが多いようです。
祝い箸は縁起の良い箸なので、お正月、婚礼、初節句などの祝い事の席でよく見られ、使用される箸です。
祝い箸の袋の正しい書き方を解説
祝い箸は大晦日に家族一人一人の箸袋を用意し、大晦日に「家長」が箸袋に一人一人の名前(明夫とか葉子など)を記入します。
記入の場所は、箸袋の正面の「寿」という文字が書いてある下の方の空いている場所です。
その他に、おせちを取り分ける箸は、「海山」(関西では「組重」)と記入したものを用意します。
家長自身の袋には「主人」と書いて、家族全員分を神棚に供えます。
家長が祝箸に家族の名前を書くのは、年の初めに毎年訪れる歳神様に対し、去年までの感謝の意と今年一年家族をお守りくださいとお願いする意味があると言われています。
まとめ
祝箸は元旦から使う縁起物の箸なので、正しい使い方を心掛けましょう。
また、祝箸はどういうものなのかという意味を家族で理解し、日本の風習として次の世代にも伝えてほしいものだと思います。