年賀状は、一年の一番はじめに相手に届く心の隠った挨拶状です。
12月の半ば頃から書き始める人は多いでしょう。
年賀状は、デザインはもちろんですが、添え書きの一言を添えることでより相手への思いが伝わり、印象もよくなります。
ところで、この添え書きにいくつかのマナーやきまりがあることはご存じですか?
この記事では、年賀状のきまりごとについて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
年賀状の添え書きを書く場所はどこがいい?
年賀状には表面と裏面があります。
表面とは、送り先の住所や宛名を書く方です。
年賀の挨拶は裏面に書きます。
裏面の一般的なレイアウトとしては、まず「賀詞」があり、続いて「本文」、そして「年号、日付」がきます。
では、添え書きの言葉はどこに入れればいいのでしょうか。
年賀状の添え書きは、「年号、日付」の後に入れるのが一般的です。
年号までは印刷で、添え書きのみを手書きにすることが多いです。
自分で印刷のレイアウトを決める時は、添え書きを書くための余白を意識しましょう。
添え書きの文章は、親戚や友人知人、職場の同僚、上司、取引先と、相手の立場や親密さによって変えていきます。
次の項では、いくつか例文を紹介していきます。
年賀状の添え書きは句読点不要その例文
私たちは普段文章を書く中で、句読点を打ちますよね。
句読点とは「、。」のことで、文章を区切って読みやすくするために打つものです。
しかし、年賀状の文章をよく見てみると、句読点はありません。
年賀状の文書は句読点を使わずに書くのが普通なのです。
では、添え書きに関していくつか例文を挙げていきましょう。
・ご家族の皆様がお元気で幸多き一年になりますように
・お近くにお越しの際にはぜひお立ち寄り下さい
上記は、親戚や友人など、幅広く使える文章です。
硬すぎず砕けすぎない文章なので、困った時にいいですね。
・早いもので私ももうおばあちゃんになりました
こちらは、普段疎遠になっている相手へ送る添え書きの例です。
自身の家族構成の変化などを書くことで、現在の近況を簡単に伝えることができます。
他にも、子供が何歳になりました、新たな家族が加わりましたなど、さまざまに置き換えることができます。
参考までに、職場の上司や先輩に送る場合は、旧年中の感謝と本年も変わらぬご指導を、という意味を込めた文章にすると印象がよくなります。
このように、相手との関係によって、それぞれに適した文章で気持ちを伝えましょう。
年賀状に句読点はなぜ使えないか?
さて、上で「句読点は使わない」と書きましたが、その理由はご存知ですか?
理由を聞くと納得できるでしょうし、日本の古くからの伝統についても触れることができます。
日本は古くから筆で文字を縦書きに書く毛筆文化が根付いており、毛筆での縦書きでは句読点を打つことはありませんでした。
句読点はあればもちろん分かりやすいですが、無くても相手は文章の意味を分かってくれるだろう、伝わるだろうという相手への敬意を込めているところがあります。
反対に、句読点をつけてしまうと「区切らないと読めないと思われているのか」と相手に思わせてしまい、失礼に当たる危険もありますので、注意が必要です。
また、年賀状は新年のお祝いの挨拶なので、句読点で喜びに区切りをつけない、という意味もあります。
もし一文が長くなり区切り方によって意味が変わってきてしまう場合は、改行や一文字分のスペースをあけるなど、読みやすい工夫をしましょう。
おわりに
年賀状は現代では新年の挨拶の義務のようになっている部分がありますし、スマホで挨拶を済ませてしまうという人も多いでしょう。
しかし、折角節目の挨拶を送るのですから、相手に心を込めたものを送りたいものですね。
句読点以外にも、忌み言葉を避けることも大切です。さまざまなマナーに気をつけながら、思いを形にしましょう。