成人の7割以上に生えると言われる親知らず。必ずしも不要な歯というわけでもないのですが、急に痛んだりして悪さをすることもあるようです。
歯医者に行くべきなんだろうけど、なかなか行く時間がない…。
そんな時は薬でとりあえずしのぐしかない時もあります。
しかし、そもそもなぜ親知らずは痛いのでしょうか。
ここではそんな疑問に答えながら親知らずの痛みの対処法を探ってみましょう。
親知らずが痛い原因とは!
おおきく分けて次の4つになります。
・歯ぐきがはれている→奥歯のさらに奥にある親知らずは歯磨きで汚れを取る事が難しく、ばい菌が溜まって炎症を起こして痛んでいる。
・歯ぐきをかんでいる→上下どちらか先に親知らずが生えているときに、生えていない方の歯ぐきをかんで痛んでいる。
・親知らずが虫歯になっている→親知らずの生え方により歯磨きしにくく、虫歯になって痛んでいる。
こういった原因で痛む場合、根本的な治療は親知らずを抜くことが多いです。
特に親知らずが虫歯になっている場合は早く抜いたほうが良いでしょう。
生え方によっては削るだけで済む場合もありますが、いずれにせよ歯医者さんとよく相談して処置してもらう必要があります。
親知らずを抜歯すると痛みはどれくらい続く?
抜歯することが多い親知らずですが、その時の痛みはどのくらい続くのでしょうか。
抜歯をしている時は麻酔をかけているのでほとんど痛みません。2、3時間して麻酔が切れてくる頃に痛みだします。
その時は処方された痛み止めと抗生剤で対処します。抗生剤は痛みが引いても処方されたものをすべて飲み切る必要があります。
一番痛むのは、抜歯した翌日から三日目くらいまでです。
これは身体の免疫力が働いている証拠です。それ以降は徐々に痛みが引いていき、一週間ほどでおさまるのが普通です。
筆者も何年か前に親知らずを2回、一本ずつ抜いてもらった事があります。
抜いている時はあっけないほど痛まないのに、しばらくあとにジンジン痛んできました。
ですが、痛み止めがわりとよく効いたのと、医者の言いつけを守って、抜いた後をいじったり、はげしいうがいをしたりしなかったので、一週間もすれば痛まなくなっていました。
1~2週間以上たっても痛みが激しく、おさまらない時は「ドライソケット」の疑いがあります。
普通は抜歯したあとの穴に血のりがたまり、血餅(けっぺい)と呼ばれるかさぶたのようなものでフタができます。
これが傷を守るのですが、なにかの拍子に血餅(けっぺい)がはがれたり、出血が少なすぎて血餅(けっぺい)そのものがうまく出来なかったりすることがあります。
このような状態を「ドライソケット」と言い、激しい痛みが長く続きます。
抜歯後のドライソケット発生率は2~4%と言われています。また、痛みが続く期間は状況により異なり、一概には言えません。
ドライソケットは、基本的に自然治癒で治しますが、何の処方もせずにいると、症状が重くなり激しい炎症を起こすことがあります。
ですので歯医者さんに通いながら少しずつ症状をやわらげる必要があります。
抜歯後の注意事項をきちんと守っていれば、めったにならないドライソケットですが、不安な人は抜歯前に歯医者さんによく確認しましょう。
予防策や、なってしまった場合の対処法をきちんと教えてくれる歯医者さんなら、信頼できると思います。
親知らずが痛いとき薬でとりあえず対処!
痛む親知らずは歯医者さんで対処してもらうのが最善ですが、それまでの痛みは市販の痛み止めを服用して押さえましょう。
炎症を抑える効果のある成分がはいっているものがおすすめです。
歯痛には、歯医者で処方されるのと同じ「ロキソニン」と言う薬を服用する事が多いのですが、自己判断で買うよりは、薬局の人とよく相談して、どの薬がおすすめか教えてもらうと良いでしょう。
薬だけでなく、以下の方法も合わせると効果的です。
・冷やす→濡れタオルくらいが適切です。
氷や保冷剤を使って冷やしすぎると、血の巡りが悪くなりかえって痛むことがあります。
・歯磨きをする→柔らかめのブラシでそっと、ていねいに磨きます。
こまめなうがいも良いでしょう。
ただし、うがい薬でアルコールを含むものはかえって痛みが増すので避けます。
・食事に気をつける→痛みがひどくて食欲がない時は、飲むゼリー食などで必要な栄養を補うようにします。
ただ、こういったゼリー食は口で強く吸うので、抜歯後は避けましょう。
血餅(けっぺい)がはがれてドライソケットの原因となります。
・身体を休める→「それができれば…」と言う対処法ですが、抵抗力が下がると痛みが悪化します。
しっかり休みましょう…。
まとめ
親知らずが痛む時は、歯医者さんに相談するのが鉄則です。
ほうっておいても何もいいことはありません。
とは言え、歯医者さんに診てもらう時間を作るまでは痛み止めなどでしのぐしかないですね…。
親知らずの痛みで歯医者さんを受診する時は、他に親知らずが生えているかどうか、そちらも抜く必要があるかどうか、一緒に聞いてみると良いでしょう。
痛みがなく、素性よく生えている親知らずの場合は必ずしも抜かなくとも良いようです。
また、他の歯に異状があったときに代わりに移植するなど、活用するために残す場合もあります。
いかがでしたか? 参考になりましたでしょうか。
いつまでも元気な歯でいられますように!