小学生時代の夏休み、鉢ごと家に持ち帰り自由研究の課題などにした思い出のある「朝顔」。
1日の中で全く違う姿を見せてくれますよね。
今回はそんな朝顔の朝と夕方での色の変化や、土の性質による色への影響、朝顔の育て方を簡単にご紹介していきます。
夏に向けて、綺麗なお花を咲かせてあげましょう。
朝顔の花の色が変化する理由は?しぼむ時期も違うのはなぜ?
朝に見た朝顔と夕方に見た朝顔で色が変わっていることがありますよね。
なぜ1日の中で花びらの色が変化するのでしょうか。
その理由は花の色素にあります。
アサガオの花の色素は、アントシアニンと言い水素イオン濃度(pH)によりで色が変化します。
理科の実験などで使われるリトマス紙のようなイメージです。
アントシアニンは、酸性だと赤色、中性だと紫色、アルカリ性だと青色に変化します。
例として、紫色のアサガオがしぼむと赤色になる、という現象は、咲いたときの現状よりも、pH濃度が下がったため起こるのです。
また、朝顔の花によりしぼむ時間が違うこともあります。
この理由としては、朝顔の花びらが何層もの細胞によってできていることが関係しています。
朝顔の花びらは表側と裏側のそれぞれ、一番外側にある細胞にだけ色がついていて、花が咲くときにこの着色細胞の色素の入っている「液胞」という袋のpHだけが上ります。
朝顔の花がしぼむ時は、このpHを上げられない状況まで細胞が弱っている、または死んでしまっているということになります。
pHを上げるということはとてもエネルギーを使うので、元気な細胞だけが行うことができ、朝顔の品種や細胞の薄さなどによってそれぞれしぼむ早さが違うのです。
また、夏は暑さで水分が蒸発するのが早いことに伴いしぼむ時間も早く、秋は気温が低く水分の蒸発も少ないのでしぼむ時間が遅くなるという研究結果もでています。
朝顔の色は土の性質で本当に変わるのか?その理由は?
朝顔の花を育てた時、綺麗な青色の花が咲く朝顔の種を植えたはずなのに、紫色や白に近く青からは全くほど遠い色の花が咲いた、ということがあります。
この現象が起きる理由は、土壌に含まれるアルミニウムという成分が朝顔の花に関係しているからです。
土壌の多くにはアルミニウムという成分が含まれています。
しかし酸性土壌か中性・アルカリ性土壌かによって土への溶けやすさが異なります。
酸性土壌だとアルミニウムは溶けやすく、中性・アルカリ性土壌だとアルミニウムは溶けにくい傾向にあります。
そして、朝顔の色は土壌からのアルミニウムの吸収によって変化します。
朝顔は酸性土壌に溶けたアルミニウムをよく吸収します。
その結果、青紫色の花を咲かせます。
中性・アルカリ性にあまり溶けなかったアルミニウムは朝顔にも吸収されず、赤紫色の花が咲きます。
上記のことをまとめると、アルミニウムを十分に吸収すると青紫色の花が咲き、吸収できない環境だと赤紫色の花が咲くということになります。
ただし、朝顔は繊細であるため、品種や日当たりによっても花の色は変化します。
朝顔の色が変わる理由と育て方
朝顔は5月中旬~下旬が種まきの適期です。
北海道など寒冷地は5月~6月の霜がおりなくなった時期が種まきの適期になります。
朝顔を上手に育てるためのステップは以下の通りです。
2、種に少々傷をつけて芽を出しやすくする
3、種をまく
4、1週間ほどで種が芽を出しはじめる
5、本葉が2~3枚になったら植え替える
6、鉢底に軽石をいれ、その上に土をかぶせて苗を植える
7、4週間ほどで摘芯をする
朝顔は種をまいてから30日~60日程度で花を咲かせます。
種の発芽率は高いですが、夏場は土の乾燥が早いので、1日2回ほど土のチェックをして枯らさないように気をつけましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
朝顔は摘芯を上手に繰り返すことで、横にも伸びるボリューム感のある朝顔が育ちます。
環境によっては花の色にも変化が出るかもしれません。根気よく育ててあげましょう。