昔から鯛は「めでたい」とも言われ、縁起が良い魚として扱われてきました。
ではなぜ鯛が「めでたい」と言われるのか、その理由や由来を知っている人はどれぐらいいるのでしょう?
また、「鯛の鯛(タイのタイ)」や「鯛中鯛(タイちゅうのタイ)」とも言われる鯛の中に隠れている骨、これもまた縁起物と言われていますよね。
そこで今回は、鯛が「めでたい」と言われる理由や由来、そして縁起物とされている「鯛の鯛」の骨についてまとめてみました。
鯛がめでたいとされる理由とは
鯛が「めでたい」と言われている理由は、まずその名前にありました。
鯛と言う名前が「めでたい」に通じることで、縁起が良い魚と言われ始めました。
さらに鯛の尾頭付きになると、大きな頭や立派な見た目、そして赤く輝いているようにも見えることから、いかにも「めでたい」見かけだったのです。
また、七福神の中の一人でもあるゑびす(恵比寿)さんが持っている魚も鯛ですよね。
七福神のゑびす(恵比寿)さんが持っていると、なおさらめでたくて幸せを呼び込みそうな魚といったイメージがありませんか?
このような理由から、鯛は「めでたい」魚とされ、お食い初めなどの様々な儀式や贈答用の高級魚として扱われるようになったのです。
鯛が縁起物となった由来
鯛が縁起物として扱われるようになった由来は、鯛そのものの色、つまり赤い色にありました。
昔から赤色は邪気を祓うとも言われていて、ケノ日(汚れの日)には赤色の食べ物を供えたり食べたりするのが一般的だったんですね。
もちろん鯛だけでなく海老や赤飯なども鯛と同じく赤い食べ物ですので、その名残からお祝いの席で出されることが多いとも言われています。
その他にも鯛と言う漢字は魚へんに周と書きますよね。
これは周囲との調和を意味した魚と言う意味合いもあるのです。
もちろん鯛の頭が大きく立派で、なおかつあごもしっかり発達している所。
幅広な体格にキレイで大きなヒレがあるところなど、鯛は見かけもめでたいことだらけであることから、縁起物とされてきたのです。
鯛のなかに縁起物のタイの骨やその意味
「鯛の鯛」とも呼ばれている鯛の中に隠れている鯛の姿に似た骨、実はこれも縁起物として扱われています。
この「鯛中鯛」は、江戸時代の頃から縁起物として扱われていたほどの歴史があります。
人工的に作り上げられた縁起担ぎのものとは異なり、大自然が作り上げた正真正銘の縁起物なんですね。
そんな大変貴重な縁起物でもある「鯛中鯛」、実はこれをお守り代わりにお財布に入れて持ち歩くだけで金運がアップする!とも言われています。
金運アップを目指して「鯛中鯛」を取り出す人も少なくないそうですよ。
ちなみに「鯛中鯛」を取り出す時は、煮付けにした鯛から取り出す方が簡単に取り出せるそうです。
煮付けにすると身が簡単に取り外せますからね。
ただ、「鯛中鯛」はとてもモロイ骨でもありますので、煮過ぎると煮崩れを起こすこともあります。
焼き過ぎると骨が焦げてしまうこともあり、結果としてキレイに取り出せないケースもあるんですね。
ですから、火加減がとても大切ですよ!あとは優しくそ~っと身をほぐしながら取り出すのがベストですね。
しかし、この「鯛中鯛」は、実は鯛にしかない骨ではないんですよ。
真鯛以外でも全ての硬骨魚にある骨なんですね。
でも、鯛以外の魚から出てきた鯛の姿に似た骨も、全て「鯛中鯛」と言われているのです。
まとめ
いかがでしたか?
鯛が「めでたい」と言われ縁起物として扱われるには、それ相応の理由があったんですね。
また「鯛中鯛」とも言われる鯛の姿に似た骨は、大自然が産出した貴重な縁起物なのです。
魚の種類によっては「鯛中鯛」の形も微妙に違っていたりするのですが、中でも一番形がキレイなのが真鯛の骨とも言われています。
気になる方はぜひ、他の魚の「鯛中鯛」も探してみて下さいね!