日本の元号は、645年の大化の改新によって始まり、特定の年代に年を単位として付けられる称号です。
世界の国の中で使用しているのは日本だけで、現在は「平成」が元号です。
平成31年4月30日の今上天皇の退位に伴い、翌日の5月1日から新年号が施行されることが閣議決定されました。
新年号はどんな年号になるかは、4月1日に発表されることが2019年元日に決定されました。
年号がいつ、どこで、誰が決めるのかは皆さん興味があると思います。
元号の決め方についてご紹介します。
元号の決め方と平成という言葉の意味
明治以前は天皇の交代時以外に、吉時の祥端改元や大災害、戦乱の発生などで随意に改元していました。
それが明治維新で明治政府が年号を「明治」に改元した時に、一世一元制を定め、新天皇の即位時のみに改元することになりました。
昭和54年には元号法が制定され、元号の決め方が法律化されました。
内容は次の通りです。
・第1項:元号は、政令で定める。
・第2項:元号は、皇位の継承があった場合に限り改める。
附則
・第1項:この法律は、公布の日から施行する。
・第2項:昭和の元号は、本則第1項の規定に基づき定められたものとする。
現在の年号「平成」の意味については、新年号「平成」発表時に、小渕恵三内閣官房長官(当時)が述べています。
「平成」は、「史記」五帝本記の「内平外成(内平かに外成る)」、「書経」大禹謨の「地平天成(地平かに天成る)からで、「国の内外、天地とも平和が達成される」という意味です。
日本の元号の決め方
元号の選定については、元号法制定時に具体的な要領が定められています。
① 候補名の考案
内閣総理大臣は、有識者から若干名の候補者を選び候補名の考案を委嘱しおおよそ2~5の候補名の提出を求める。
② 候補名の整理
内閣府総務長官は、提出された候補名を検討・整理し、内閣総理大臣に報告する。検討・整理内容は、次の通りです。
・国民の理想としてふさわしいようなよい意味を持つものであること。
・漢字2字であること。
・書きやすいこと。
・読みやすいこと。
・これまでに元号又はおくり名として用いられたものでないこと。
・俗用されているものでないこと。
③ 原案の選定
内閣総理大臣の指示により、内閣官房長官、内閣府総務長官、内閣法制局長官による会議で、新年号の原案として数個の案を選定する。
その後全閣僚会議において新年号について協議し、内閣総理大臣は原案について衆議院及び参議院の議長、副議長に意見を伺う。
④ 新年号の決定
閣議において、改元の政令を決定する。
元号の由来は?明治大正昭和の意味
元号は漢の武帝の時代に中国に生まれ日本に伝わり、日本では大化の改新から始まっています。
元号の由来については、「易経」「書経」「五経」「史記」などの中国の古典経書や史書からの出典が多いようです。
明治・大正・昭和の意味
明治や大正、昭和の意味ついては次の通りです。
・明治
易経の中の「聖人南面して天下を聴き、(明)にむかいて(治)む」という言葉が元です聖人が南面して政治を聴けば、天下は明るい方向へ向かって治まるという意味です。
・大正
易経の中の「(大)亨は以て(正)天の道なり」という言葉が元です。
天が民の言葉を嘉納し、政が正しく行われるという意味です。
・昭和
書経の中の「百姓(昭)明、協(和)万邦」という言葉が元です。国民の平和を世界の共存繁栄を願うという意味です。
まとめ
平成の次の年号が何になるかはまだ不明ですが、世間では元号を予想する人が多くなってきたようです。
過去の元号や世間の噂になった言葉からは、採用されないようですが、自分なりに予想するのも楽しいですね。