十五夜といえば、秋の満月の日の夜に月見団子やすすきを飾る・・・
ということは、誰しもイメージできますよね。
では、意味を詳しく尋ねられたらどうでしょう?
なぜ十五夜というのか、お供えの意味や由来など十五夜や十三夜について詳しく解説していきます。
十五夜にすすきを飾る意味と由来
すすきといえば、秋に多く見られる植物ですよね。
お月見の際にお供えするという印象も強いです。すすきを飾る意味は、大きく分けて二つあるようです。
1.稲穂の代わりに
十五夜のお月見は、農家の人にとって豊穣を願うという意味があります。
満月は豊穣の象徴であり、芋や豆など様々な収穫物を月に供えて感謝を表していました。
本来ならここに稲穂も飾りたいところですが、十五夜の時期はまだ穂が実る前の時期なのです。
そこで、すすきを稲穂の代わりに飾ることで見立てとしていたのです。
2.魔除け
古くから神様の依り代とされてきたすすきは、茎の中が空洞のため、神様の宿り場になるといわれてきました。
また、すすきは鋭い切り口も特徴的です。
この鋭さが魔除けになると考えられ、災い除けや翌年の豊作を願う意味で飾られてきました。
このように、豊穣と魔除け、二つの意味を込めてすすきを飾ってきたのです。
十五夜の意味を子どもに分かりやすく説明するには?
十五夜というものを何となく分かっていても、いざ誰かに説明するとなると難しいですよね。
特に子どもから聞かれた時、子どもにも理解しやすいように説明するには工夫が必要です。
分かりやすく説明するためには、まずは自身が完全に理解することが大切です。
月には満ち欠けがあり、ひと月の間で同じ形の月は一日もありません。
月が陰に隠れて全く見えない「新月」を1とした時に満月は丁度15日目にあたります。
これが十五夜という名前の由来です。
それならば、「毎月の満月を十五夜というのでは?」と思う方もいるでしょう。
しかし、十五夜と呼ぶのは八月十五夜のみなのです。
八月十五夜は旧暦の八月十五日の夜のことで、別名「中秋の名月」と呼びます。
現在日本では新暦を用いて暦を数えているのですが、明治五年十二月二日までは旧暦で数えていました。
旧暦では、一・二・三月を春、四・五・六月を夏、七・八・九月を秋、十・十一・十二月を冬としています。
八月は秋の丁度真ん中の頃のため、中秋の名月というのです。
十五夜には収穫した農作物を月に供えて感謝の気持ちを伝えるという風習があり、芋なども一緒に供えていたことから「芋名月」とも言われています。
この時期の満月が一年の中で一番美しいというのも、八月十五日が「十五夜」とされる由来でもあります。
つまり、「一年の中で満月が一番美しく見える旧暦の八月十五日に、収穫物などを供えて豊穣を感謝する日」ということですね。
お月見の十五夜と十三夜のちがいと意味
上で十五夜について説明しましたが、十五夜の他に「十三夜」というものもあります。
それぞれどのような違いがあるのか、紹介していきます。
十三夜というのは、新月を1とした時に13日目の月のことで、月が八割ほど見えており左の二割ほどが欠けた月のことです。
そして、この十三夜というのは、旧暦の九月十三日のことで、十五夜に次いで美しい月と言われています。
栗が実る時期の月ということで、「栗名月」とも呼ばれています。
旧暦の秋が七月・八月・九月であることは上で紹介しましたが、それぞれに呼び方があります。
七月は初秋、八月は仲秋、九月は晩秋といいます。そのため、十三夜は「後の月」とも言われます。
また、十五夜と十三夜はセットで行われてきました。
片方の日だけ行うことを「片見月」といい、縁起が悪いと考えられてきました。
そのため、お月見を行うなら、両方行うことが大切です。
おわりに
十五夜や十三夜について上手に説明するためには、月の満ち欠けや旧暦のことについて知らなければなりません。
古くからの風習を未来の世代に繋ぐため、上手に説明してあげたいものですね。